オートミールの葉酸

オートミールの葉酸

葉酸

葉酸は1944年、貧血予防に役立つビタミンとして発見されました。

葉酸は細胞が増殖するときに欠かせないビタミンでもあります。


オートミールの葉酸含有量

オートミールはオーツ麦(エンバク、燕麦)を加工したものです。

文部科学省が出している「食品成分表」を調べてみますと、オートミールには100g中に30マイクログラム含まれています。

オーツ麦の食べられる部分100gについて、ということですから、籾殻を取り除き挽き割りにしたオートミールと考えて結構です。

この中に葉酸が30マイクログラム入っていると言うことは、その他の穀物に比較してみますと、随分多い方です。最高と言うわけではありませんが、普通の穀物よりは随分多いです。

葉酸は細胞が増殖するときに必要なビタミンですので、成長の急激な乳幼児においても重要な役割を果たしているものと思われます。

このため、オートミールの重湯や、オートミールの粥が、離乳食として良いといわれていることが納得できます。


体内に入ると

葉酸は細胞の合成に必要なビタミンで、体内の細胞分裂の盛んなところに多く集まっています。

そこにおいて葉酸は、DNAを合成する酵素の働きを助ける役目を果たします。

直接作用するのではなく、酵素の働きを補助するものですので、補酵素と言われます。

細胞はDNAをコピーしながら増殖していきますが、その際に正常に増殖するよう手助けをするわけです。

赤血球は4ヶ月で死んでしまいます。そのため常に新しい赤血球を作り続けなければなりません。

葉酸は赤血球の元となる赤芽球を作るときに働きをします。赤芽球が正常に作られないと、赤血球も正常に作られません。このため、葉酸が少ないと貧血になってしまいます。


葉酸の必要量

葉酸は色々の食材に含まれています。特にレバーに多く、野菜では菜の花などにも多く含まれています。

普通の食事をしている限り不足することはまずありませんが、数値的に表しますと、一日に摂取する平均的な必要量は、男女とも大体200マイクログラムとされています。

妊婦は更に200マイクログラムを追加し、授乳婦は100マイクログラムを追加するのが良いとされています。

さらに、妊婦ではなく、妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性がある女性は、一日400マイクログラムの摂取が必要とされています。

胎児や乳幼児の発育に、葉酸は非常に重要なことがわかります。

葉酸はサプリメントとしても発売されています。


妊娠と葉酸
胎児にとって葉酸が重要であることは先に述べたとおりです。

しかし妊婦と言うのは、妊娠してからの話ではないことにご注意ください。

妊娠したそのときに既に葉酸が十分体内になければならないのです。

そのため、妊娠が分かってから葉酸を取り始めるのではなく、妊娠の可能性がある段階で、葉酸の摂取に心がけなくてはなりません。


オートミールと動脈硬化

オートミールには食物繊維が多く、この食物繊維はコレステロールを改善し、動脈硬化を予防することは別項で述べましたが、オートミールの葉酸も動脈硬化防止に役立ちます。

葉酸が動脈硬化の予防に役立つことが分かったのは最近のことです。

葉酸が不足しますと、ホモシステインの代謝が悪くなって、血液中のホモシステインの量が増えてきます。

この状態が続くと動脈硬化が促進されると分かってきたのです。

動脈硬化の予防のためには、脂肪の取りすぎに注意するほか、葉酸を摂ることも心がけねばなりません。


葉酸と言われるわけ

「葉」、「酸」と書いて葉酸ですが、なぜ「葉」と言われるかと言いますと、実は葉っぱであるほうれん草から発見されたからです。

英語では、フォーリックアシッドと言いますが、これは葉を意味するラテン語フォリュームから付けられた名前です。

この名前の通り、葉野菜には大抵葉酸が含まれています。

葉酸はビタミンB9と言われますが、これはビタミンBとしては9番目に発見されたからです。

さらに葉酸はビタミンMとも言われます。

このMはモンキーのMです。猿の貧血を防止するビタミンとして見つけ出されたのでそのMを付けられたものです。


葉酸は一人では働けない

葉酸は葉酸独自で作用を呈するのではなく、色々の他の成分と協力しあうことで初めて働きをします。

この、他の成分も葉酸なしには十分な働きができません。

互いに協力しているのです。

中でも関係が深いのはビタミンB12です。細胞を作るときのDNA合成や、赤血球を作るときにも協力し合って働いています。

養蚕だけ十分にあっても他の栄養素のバランスが悪いと十分には働けません。