オートミールのパントテン酸雑学>
オートミールのパントテン酸
パントテン酸パントテン酸はビタミンBの一種で水溶性です。ビタミンB5とも呼ばれます。パントテン酸は糖質やたんぱく質、脂質の代謝などに幅広くかかわる補酵素です。 オートミールのパントテン酸含有量 オートミールはオーツ麦(エンバク、燕麦)を加工したものです。 文部科学省が出している「食品成分表」を調べてみますと、オートミールには100g中にパントテン酸が1.29mg含まれています。 可食部100gについてですから、エンバクの籾殻を取り除き挽き割りにしたオートミールのことです。 この中にパントテン酸が1.29mg入っていると言うことは、穀物の中では多い方です。最高と言うわけではありませんが、普通の穀物よりは多い方です。 パントテン酸の吸収と合成 食品の中では大抵コエンザイムAという補酵素Aとして存在しています。 これを人の身体は消化管でパントテン酸に分解し、これを吸収します。 吸収されたコエンザイムAは、肝臓に行って再びコエンザイムAに合成されます。すなわちパントテン酸はコエンザイムAの構成材料となっています。 食品を消化してから吸収するということは、腸壁を通過できるようにするということです。 例えば、オートミールそのままでは腸壁を通過できませんからこれを消化してバラバラの分子状態にし、そのバラされて小さくなった分子が腸壁を通過して吸収されるわけです。 オートミールのコエンザイムAも大きすぎて腸壁を通り抜けられませんので、これを消化してパントテン酸とし、吸収するわけです。 そうして再びコエンザイムAを合成するのです。 パントテン酸の働き 食事によって取り込んだ糖質や脂質、たんぱく質は、それぞれの分解酵素によって分解され、ATPという物質を作ります。 このATPは体の各部分に運ばれ活動のためのエネルギー源となります。 パントテン酸はコエンザイムAとなりますが、コエンザイムAはATPの活動における酵素の働きを活発化させる役割を持っています。 例えばビタミンB1とともに糖代謝を活発にし、ビタミンB2とともに脂質の代謝に関与します。 また、HDL、善玉コレステロールの合成促進にも役立ちます。 さらに、ホルモンの合成にもかかわっています。 たとえば、副腎の働きを助け、副腎皮質ホルモンの合成に寄与しています。 パントテン酸の適量 パントテン酸はどのくらい摂るのが良いかということですが、日本人の食事摂取基準によりますと、目安として5〜7mgと示されています。 パントテン酸は多くの食品に含まれているため、どこまで少なくすると問題が出てくるかというような調査が出来ません。 食べ物自体を少量にすれば、確かにパントテン酸も減りますが、糖質や脂質も色々のものが同時に減少しますから、現れた現象が、パントテン酸の減少によるものなのか、他の栄養成分の減少によるものなのかを区別できないからです。 このため目安としてのみ表示されています。 なお、妊婦では1mg、授乳婦では4mgを付加するように示してあります。 過不足の影響 パントテン酸が不足するとどうなるか、あるいは摂り過ぎるとどうなるかということですが、多くの食品に含まれているため、パントテン酸だけ不足するという状態はまず起こりえません。 今までにパントテン酸欠乏症という症例はほとんどないようです。 また、パントテン酸だけ摂りすぎる事も出来ません。同時に他の栄養素も多くなってしまうからです。 今まで、パントテン酸の摂り過ぎによる健康障害は知られていません。 パントテン酸によるダイエットパントテン酸はサプリメントとして発売されており、その宣伝文句には、善玉コレステロールを増やすとか、肌の状態を良くする、粘液力を高める、肥満を予防するなどとあります。 パントテン酸は糖や脂質の利用には必要なものですので本当に不足すれば問題がありますが、例えばレバーでは100g中にパントテン酸を10mgも持っています。 パントテン酸を持っていない食品ばかりを摂ることはなかなか難しいと思います。 これは私の考えることですが、パントテン酸を余分に取った場合、ダイエット効果があることにはあまり理解が出来ません。ただ、特殊な例で、普通の食事をせず、色々のサプリメントを集めて摂っている場合には、パントテン酸を忘れると健康を害することも考えられます。 前にも述べましたが、オートミールによるダイエットは、パントテン酸を多くとか少なくするという方法ではありません。 オートミールダイエットにおいても、オートミール自身が適量のパントテン酸を持っているのです。 |