オートミールと鉄

オートミールと鉄

オートミール

ダイエット
オートミールはダイエットに良いといいますが、意外に栄養価は高いのです。

このように栄養価は高くても、オートミールは少量で満腹感を得られるためにダイエットに向いているのです。

朝食にオートミールのお粥を食べることをお勧めしますが、この場合、オートミールを30gほど使いますから、カロリーは110kcalくらいです。

そこに味付けのため蜂蜜や果物などのトッピングをしたりしますと、200kcal近くになるでしょう。

ダイエットにはこのくらいがちょうど良いのです。例えば寒天などでほとんど0kcalにしてしまいますと、少し行き過ぎの感じがします。

通常の朝食は500kcalくらいですから、このオートミールで300kcalの低減になります。

昼食、夕食は通常通りとして、一日に300kcal低減ですから一月に1kg程度のダイエットになります。


オートミールにおける鉄の含有量
オートミールはオーツ麦を挽き割りにしたり、蒸して圧扁したりして作りますが、オーツ麦は耐寒性も強く丈夫な穀物です。
オートミールは、色々のミネラルを含んでいますが、鉄も他の穀物と同程度に含んでいます。文部科学省の発表している「食品成分表」によれば、オートミール100g中に、3.9mgの鉄を含有しています。
これは納豆やアサリと同じくらいの含有量です。

鉄は成人の場合、3g〜4g体内に含まれており、大半は血液に含まれています。
そのほかに鉄が含まれているのは、筋肉や肝臓に多く、骨髄にも含まれています。

体内での働き
鉄の大切な働きは体の隅々にまで酸素を運ぶことです。
鉄は血液の赤血球の成分であるヘモグロビンを作ります。ヘモグロビンは、肺から取り込んだ酸素を持って身体の隅々にまで行って、その酸素を届けます。
届けられた酸素を使ってからだの全ての細胞は命をつなぎ、活動できるのです。
また、鉄はヘモグロビンに似た一種のたんぱく質の成分となって、血液中の酸素を筋肉に取り込む仕事もします。
血液中の鉄や筋肉中の鉄はこのように常時仕事をしていますが、その様に機能している鉄を機能鉄と言います。
一方、肝臓や骨髄にある鉄は普段は仕事をしていませんが、血液中の鉄が不足したときそこから血液中に放出されます。
このように不足に備えて貯蔵されている鉄を貯蔵鉄と言います。
無茶なダイエットなどで鉄が不足し、貯蔵鉄も使い果たすと貧血になってしまいます。

鉄の吸収
鉄は70%ほどが赤血球に含まれており、その赤血球の寿命は120日ほどです。
しかし鉄の体内でのリサイクルは効率よく出来ていて、一日に排出される鉄は1mgほどです。
毎日の食事からはこの分だけ補給すればよいのですが、鉄は吸収率が低いため、かなりの量を摂らないとたった1mgを補給することが出来ないのです。
日本人の食事摂取基準では、一日に6mg〜9mg摂るように言われています。妊婦は11mg〜13mgほど摂る様に言われています。
鉄は吸収率が低いミネラルです。
動物性食品の鉄は比較的吸収されやすく、吸収率は約30%ですが、植物性の鉄は摂取した中の約5%しか吸収されません。

鉄の過不足
機能鉄が一時的に不足しても、貯蔵鉄が放出されますので、鉄の欠乏症には通常なりません。
しかし過多月経や子宮筋腫、痔などで長期間出血が続きますと、貯蔵鉄が使い果たされ、ヘモグロビンや赤血球が生成出来なくなり、貧血になってしまいます。
貧血になると、疲れやすく、頭痛や動悸息切れなどの症状が現れます。
吸収率の低い鉄は、とりすぎることはほとんどありませんが、サプリメントなどで過剰に摂り続けますと、嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。

鉄なべの効果
鉄を豊富に含む食品はそんなに多くはありません。吸収率も低く摂取しにくいミネラルです。
鉄なべで調理すると本当に鉄部が増えるのでしょうか。
調べてみますと、素材や調理方法で違いはありますが、切った青菜を鉄なべで油を敷いて炒めた場合、フッ素樹脂加工のなべの場合よりも、100gあたり鉄が1mg多いと言うデーターがあります。