オートミールに加工オートミールに加工
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まずオーツ麦の種子から、外皮である籾殻を取り除きます。 するとオートグローツと呼ばれる実が出てきます。 これはイネで言う玄米に相当します。 オートグローツは玄米と同じように精白されていないためヌカを被っています。 ヌカのことはさておき、もしこのまま生の状態で人間が食べたとしますと、ほとんど消化されないで排出されてしまいます。 オートグローツの内部はでんぷんが多く、そのでんぷんが結晶化していて消化できないのです。 このようなでんぷんのことをβでんぷんと言います。 私は子供の頃、田舎育ちでしたのでよく里山に行っていました。 秋になりますとよく栗を拾って帰りましたが、粗皮と渋皮を取って、生のまま食べたことがよくあります。 独特の味がしますが、人によってはその様な食べ方をすると、吹き出物が出来ると言われたものです。 要するに消化の悪いものを食べたらいけないと言うことだったのでしょう。 拾ってきた栗を囲炉裏で焼きますと、ほかほかの焼き栗になります。まるで生のときと違ってきます。 栗について調べたことはありませんが、これもβでんぷんのアルファ化だったのでしょう。ふとそんなことを思い出しました。 βでんぷんに水と熱を加えますと、結晶が崩れ、バラバラの分子になりますので、人間にも消化できるようになります。 このように結晶を崩すことをでんぷんのα化と言います。 α化されれば人間もこれを消化吸収できます。 オーツ麦の種子から籾殻を取り除いただけのオートグローツは、なかなかアルファ化しにくい状態にあります。 水を加えて熱しても長時間を要するわけです。 すなわち調理するのにとても長時間を要し、実用的ではありません。 そこで、メーカーの工場内で何らかの加工を施して、消費者の所では比較的短時間で調理できるようにしたものがオートミールなのです。 その加工の種類にはいくつかありますが、オートグローツを挽き割りにしたり、何個かに切ったりする方法で作ったオートミールをスチールカットオーツと言います。 また、オートグローツを少し加熱してローラーで押し延べたものをロールドオーツと言います。 更にロールドオーツは、クイックオートミールやインスタントオートミールに加工されます。(この件は別項で詳述してあります) |