オートミールと食物繊維の働き

オートミールと食物繊維の働き

オートミール関係商品紹介

食物繊維とは

食物繊維と言うのは食べ物の中に入っていて、人間の消化酵素では消化できないものを言います。

オートミールは食物繊維を非常に多く含み、穀物中トップクラスです。

食物繊維は血糖値を押さえ、コレステロールを改善します。

このためオートミールは糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞などに効果があります。

このように、食物繊維は健康に良いとか、野菜は食物繊維を多く持っているからたくさん食べると良いなどと言われますが、食物繊維と言うのはどういうものか意外にご存じない方もおられるようです。

そのため食物繊維とはどういうものかと言うことを少し解説しておきたいと思います。

ご存知の方はこの章は読み飛ばしていただいても結構です。

実は私もオートミールについて勉強する前までは、食物繊維と言うのは筋のようなもののことだとばかり思っていました。

たとえばゴボーの筋とか、サツマイモの中に入っている筋とか、てっきり食物繊維と言うのはその名の通り繊維のことだと思っていました。

繊維すなわち筋だと思っていたのです。

ところがオートミールについて勉強を始めた途端、それは間違いであることに気が付いたのです。

食物繊維と言うのは筋の事ではなかったのです。

食物繊維と言うのは「人間の消化酵素によって消化されない食品中の成分」と言うことになっているのです。

多分ゴボーの筋もサツマイモの筋も消化しにくいでしょうからこの定義によっても食物繊維と言っても良いでしょう。

しかし少し驚いたことに例えばワカメの中にも食物繊維があるのです。

ワカメを良く煮てかき混ぜていればねばねばした状態になりますが、それは食物繊維なのです。消化されないわけです。

現実に私たちが目で見て、これは食物繊維であり、これは食物繊維ではないと分けることはできないと思います。

食物繊維とは筋のことだと言うのならば、見て分けることもできるでしょうが、食物繊維とは消化されないものだと言うことになると、これは実際消化されるのか消化されないのか区別が難しいからです。

オートミールには食物繊維が多く、米には食物繊維が少ないのですが、私たち素人には見ただけでは判別しかねます。

専門家が研究した結果、オートミールは消化されない成分が多いから食物繊維が多いとし、米はご飯にして食べればよく消化されるから食物繊維はすくなとされているわけです。

食物繊維の定義の中で、人間の消化酵素によっては消化されないものを食物繊維と言うとなっています。

これはどういうことかと言いますと、腸の中には色々の細菌が住み着いていて、排せつ物がやってくると待っていましたとばかりにこれを餌として食べることがあるのです。

腸内細菌には善玉菌と悪玉菌とがあり、ヨーグルトは善玉菌の食糧になるなどと言われています。

ですから、人間の持っている消化酵素では消化できなくても、腸内細菌が消化してくれる場合もあるのです。

食物繊維だからと言って必ず消化されずに排泄されてしまうとは限らないわけです。

ただ、腸内細菌によって消化される食物繊維の量はあまり多くはありません。食物繊維のごく一部が腸内細菌によって消化されるだけです.

ですから、食物繊維はほとんど大部分排泄されると考えても大きな間違いではないでしょう。

食物繊維とは「体内で消化されない食品中の成分」と考えてもそんなに大きく違うわけではないと言うことです。

オートミールはダイエットに用いると都合が良いと言うのは、オートミールには食物繊維、消化されない成分が多いために都合が良いと言うことなのです。

食物繊維が多いため、水分を吸収して膨張し、それが消化されないため腹持ちがいいわけです。

ただ、オートミールは食物繊維が多いと言うことであって、食物繊維だけでできているわけではありません。

ちゃんと消化される成分もありますからカロリーもあるわけです。

食物繊維は大部分が初化されませんからカロリーはほとんどないと言うことになります。


オートミールとは

オートミールと言うのは、オーツ麦の実を調理しやすいように加工した物のことです。

オーツ麦は昔は雑草扱いされていたのですが、食物繊維が多く健康にも良いため、食べ物として認識されたのです。

オートミールはこのオーツから作られるわけですが、その理由を説明しましょう。

それは、このオーツ麦の実はとても硬く、調理すなわち煮込むのに大変長時間を要し、実用的ではないため、メーカーで色々の加工を施して短時間で調理できるようにしてあるのです。

しかし人それぞれの好みがありますので、多少調理時間は長くかかっても良いから、オーツ本来の歯ごたえや食感を持ったオートミールが良いとか、逆に食感などは多少落ちても良いからとにかく短時間で調理できるオートミールが良いなどと色々の要望があります。

そのためメーカーは色々の加工程度のものオートミールを作っています。

オーツのモミ殻を外しただけのものはオートグローツと言いますが、これは何ら加工されていないためオートミールとは言われません。単なるオーツ麦の実そのものです。

一番オーツらしい食感をとどめているのは、そのオートグローツを2〜3個に挽き割ったオートミールです。何個かに割っただけでも表面積が増えますから早く調理することができるようになります。

このオートミールはスチールカットオーツと呼ばれます。

加工工程によっていくつかのオートミールがあるわけですが、一番調理しやすいオートミールはインスタントオートミールです。

これはメーカーで一度火を通し、乾燥させたものです。ですからそのままポリポリ食べるともできます。しかし通常は少なくても牛乳を加えてスプーンですくって食べる程度の調理はします。

果物を刻んで入れたり、蜂蜜を加えたりいろいろの調理方法があります。

ツーの方はスチールカットのオートミールを使い、一般の方はインスタントオートミールを使うと言うパターンが多いようです。

その他にも中間的ないろいろのオートミールがあります。


オートミールの食物繊維

オートミールは多量の食物繊維を含む穀物で、その含有量は穀物中トップクラスです。

食物繊維とは何かということが日本でも定義されています。食物繊維の正しい定義は、

  「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」

となっています。

要するに、食物繊維と言うのは消化されにくいもののことです。

日本でもと断ったのには理由があります。実は、食物繊維ではないけれどもよく似たものがあることが分かり、どう定義したらよいか各国で色々議論されているからです。

食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維とがあります。

白米には水溶性食物繊維がほとんど含まれていませんが、オートミールには水溶性も不溶性も両方の食物繊維が含まれています。


オートミールの食物繊維の働き

食物繊維は、昔は必要ないもの、邪魔なもの、と考えられていましたが、最近ではさまざまな生理作用や生理機能が明らかになりました。

オートミールには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が共に含まれていますが、これらは別々の働きをしながら、しかも協力して大変健康に良い働きをします。

例えば、血圧を下げたり動脈硬化を予防し心筋梗塞や脳梗塞の予防にも役立ちます。

それぞれの食物繊維の働きを説明します。


水溶性食物繊維の働き

オートミールに含まれる水溶性食物繊維は、水分を吸収して膨張し、少量でも意外に満腹感を与えますのでダイエット食品として使うことができます。

さらに食物繊維が多いと言うことは、消化されにくいと言うことですから、お腹がすいてこない、腹持ちが良いと言うわけです。ダイエットには最適の食品となります。

オートミールの中の水溶性食物繊維は水分によってドロドロした糊のような状態になります。

ですからオートミールの水溶性食物繊維は食べた食品の色々のものを包み込みます。

このため、例えば炭水化物や糖は、消化酵素と接しにくくなり、消化吸収されにくくなります。すると、血液中の糖の濃度の上昇が押さえられます。いわゆる食後すぐには血糖値が上がる、という現象を抑制します。

また、食べた食品中のコレステロールも包み込みますからその吸収を遅らせ、体外にまで排出してしまいます。

そのため血管壁に付くコレステロールは減少し、動脈硬化が改善されます。

心臓の血管もその作用を受けますから、狭心症や心筋梗塞も予防されるわけです。


不溶性食物繊維の働き

オートミールなどに含まれる不溶性食物繊維は、腸の内壁を刺激しますから、腸のゼンドウ運動を活発化し、便の通過を促進します。

要するに便通が良くなります。

発癌性物質も短時間で排出されるため、癌化される危険性も減少します。

このため、腸の中はいつも綺麗な状態となり、便秘や腸の病気予防に役立ちます。


協調効果

すでに述べましたように、水溶性食物繊維はコレステロールを包み込み吸収されることを遅らせながら、不溶性食物繊維が腸を活発化させて排出を促します。

そのため動脈硬化を予防する効果が高く発揮されるわけです。

もし水溶性食物繊維だけだった場合、確かに消化吸収は遅くなりますが、いつまでも腸内にとどまっていれば、やがては全部吸収されてしまうでしょう。

逆に不溶性食物繊維だけだとしたら、確かに便通は良くなりますが、すでに消化吸収された残りだけを排出することになります。

オートミールは水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維の両方を持っているため、双方の働きが相まって、コレステロールをうまく排出してくれるわけです。


オートブランというサプリメント

オートミールは調理しやすいように加工されたものです。

加工される前のオーツの実、すなわちオートグローツは米で言えば玄米のようなものです。薄皮を付けています。

玄米を精白して精米にするように、オートグローツも精白されるのが普通です。

この時でてくるヌカがオートブランと呼ばれる粉ですが、この中には食物繊維やミネラルがいっぱい詰まっています。

オートミール、すなわちオーツの実の中身を加工した物もたくさんの食物繊維を持っていますが、オートブランはそれ以上に食物繊維を持っています。


オーツ麦の実の食物繊維はヌカの中に一番多く含まれています。

ロールドオーツは精白されたものが使われる場合もありますが、スチールカットオーツは精白されることはありません。

インスタントオートミールは大抵ロールドオーツから作られますが、精白されているかどうかはっきり表示されないこともあります。

健康にいいのはスチールカットオーツです。 少し調理に時間がかかりますが、ことことゆっくり煮込めば最高のお粥になるでしょう。


オーツ麦の実の外皮、ヌカを集めたものがオートブランですが、これはサプリメントとして販売されています。

ある程度の味付けや、小麦粉を混ぜるなどして飲みやすくしてあります。

ダイエット用にはあまり使われませんが、健康のためには色々の方がお使いのようです。

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