食物繊維の含有量

食物繊維の含有量

食物繊維とは


食物繊維とは、「人の消化酵素で消化されない食品中の成分」、と定義されています。

要するに消化吸収されない物のことです。

私も以前は食物繊維と言えば、ゴボウの筋のようなものだとばかり思っていました。

食物の中に含有している繊維だと解釈していたのです。

でもダイエットにかかわるようになってから食物繊維についてその解釈は間違っていることに気が付きました。

食物繊維と言うのは何も繊維質に限ったものではなかったのです。

小ガニの甲羅やイナゴの足も消化されませんから食物繊維になるわけです。

更に驚いたことに、ワカメや納豆も食物繊維を含有していると言われるのです。

こんなに柔らかくてなめらかなのに食物繊維が多いとされているのです。

食物繊維は繊維質に限るという考え方は間違いでした。

そこでいろいろ調べていくうちに、食品中に含有している食物繊維、すなわち消化されないものの中には2種類あることが分かりました。

一つは水に溶けるけれども消化されない食物繊維。これは水溶性食物繊維と言われます。

もう一つは水に溶けない食物繊維。これは不溶性食物繊維と言われます。

食品の中にはこの2種類の食物繊維が含有されることが多いのです。


水溶性食物繊維の働き


水溶性食物繊維とは、水には溶けるけれども消化吸収されない成分のことですが、この水溶性食物繊維の特徴は、ねばねばしていることです。

水分を吸収してノリのように粘つく性質を持っています。

消化されにくく、粘つくものですから、例えば一緒に食べたコレステロールに絡み付けば、絡み付かれたコレステロールは消化吸収されないまま排出されやすくなります。

すると体内のコレステロールが減少しますから、動脈硬化が予防され、血圧、心筋梗塞、脳梗塞などの予防に役立ちます。

動脈硬化は余分なコレステロールが血管の内壁にくっつくために生じるのです。

そのくっついた塊がはがれて血管中を流れて行って心臓に詰まれば心筋梗塞ですし、脳に詰まれば脳梗塞です。

また、水溶性食物繊維が糖、すなわち炭水化物に絡み付けば、血糖値の急上昇が抑制されますのでインスリンの分泌を抑え、膵臓の負担を軽くしますので、糖尿病の予防になります。

このように身体にとって健康的な働きをしてくれます。

また、水溶性食物繊維は水分を吸収する性質がありますので、体積膨張し、しかもなかなか消化されないと言う性質がありますので、ダイエット食品として優れた効果を持っています。

水溶性食物繊維はお腹を満たし、腹持ちが良いわけです。

少量でも膨張してくれることは、小カロリーで良いと言うことですし、腹持ちが良いと言うことは、間食やつまみ食いをしなくて済むと言うことですが、肝心なことは我慢をしなくても良いと言うことです。

毎日毎食我慢を続けるダイエットは無理なことです。


不溶性食物繊維の働き


一方水に溶けない不溶性食物繊維は、やはり消化されにくいですが、腸壁を刺激して、ぜんどう運動を活発化させ、便通を良くしてくれます。

つまり、便秘を治してくれるわけです。

便秘しないでいつも心地よいということは、身体が健康ではつらつしていることを意味します。

不健康な身体には美肌は生じませんから、つやのある美肌になりうる条件をひとつ満たしてくれるわけです。

不溶性食物繊維を摂れば美肌になるとは言い切れませんが、一歩近づけると言うことです。

健康美と言うのは一番良いのではないでしょうか。


都合の良い食物繊維の姿


食物繊維は食品の中に含有されているわけですが、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は異なった効果を発揮します。

この両方の効果、働きが同時にあることが望ましいわけです。

コレステロールを包み込み、ぜんどう運動が活発で早く排出されること。そうすれば健康的です。

つまり、水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維とを同時に取ることが良いわけです。

食品によって、水溶性食物繊維が多いものとか、不溶性食物繊維が多く含有されているものとかいろいろありますが、前述のような理由により、できるならば、両方の食物繊維を含有している食品が一番都合が良いわけです。

健康のためばかりでなく、ダイエット用食品としても同じことが言えます。

健康のために昭和天皇がオートミールを召し上がられていたことはよく知られたことです。

このサイトでは、ダイエット用に食べる食品としてオートミールが適していることを述べています。

それは、オートミールは水溶性食物繊維も、不溶性食物繊維も両方ともを多く含有しており、味付けも自由であるとか、歯ごたえなどの食感が良いとかの点からおすすめしているのです。


食物繊維の含有量


オートミールはオーツ麦から作られていますが、このオーツ麦はもともと雑草であったこともあり、食物繊維を多く含有しています。

このためオートミールも食物繊維を多く含有し、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も多く含有しています。

先に述べたように、食物繊維とは、「人の消化酵素で消化されない食品中の成分」、と定義されています。

人の消化酵素では、と断ってありますが、これは、腸内細菌によってわずかではありますが、消化されることもあるためです。

水溶性だですとぜんどう運動が活発化されず、長く腸内にとどまりますので、消化されてしまう可能性が高くなります。

腸内細菌の中には善玉菌と悪玉菌がありますが、善玉菌の住みやすい状態にもしてくれるようです。

オートミール100gの中には、食物繊維が9.4g含まれており、穀類の中ではトップクラスです。他の食品と比較してみましょう。

(食品 100 g あたり)
食品名  食物繊維の含有量
きな粉       16.9g
ゴマ        10.8g
オートミール   9.4g
糸引き納豆    6.7g
モロヘイヤ     5.9g
ゴボウ        5.7g
玄米        3.0g
ニンジン       2.5g
サツマイモ     2.3g
プルーン       1.9g
キャベツ       1.8g
タマネギ       1.6g
リンゴ         1.5g
レタス        1.1g
精白米      0.3g

黄粉やゴマは確かに食物繊維の含有量は多いですが、ダイエット食品として主食にするにはあまり適しておりません。

どうやって黄粉だけ食べますか。

ごまだけでもとても食べられないでしょう。

その点オートミールは色々の調理方法が使えます。

和風にも、中華風にも自由自在です。

しかも、その食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含有しています。

ダイエット用の主食としてオートミールが最適なことがご理解いただけることと思います。