オートミールの炭水化物

炭水化物にも消化されるものとされないものがあります
炭水化物

炭水化物のエネルギー

食品の中の炭水化物には、消化吸収される炭水化物と、消化吸収されない炭水化物とがあります。

消化吸収される炭水化物を糖質と言い、消化吸収されない炭水化物を食物繊維と言います。

オートミールの場合、成分表を見ますと、炭水化物69.1%、食物繊維9.4%と発表されています。

そうしますと、オートミールの成分で消化吸収される糖質としての炭水化物は引き算して、59.7%となります。

食物繊維は「人の消化酵素で消化されない食物中の成分」となっています。

するとオートミールの場合、食物繊維の中に、炭水化物ではなくて、消化されない成分もあるのかもしれません。

多分あるとしても少量でしょうが、沢蟹とか小エビなど殻ごと食べる食品の場合には、その様な成分が多くなると思われます。

オートミールの食物繊維は水溶性のものと不溶性のものとがありますが、これらの食物繊維は全くエネルギーにならないのではありません。

糖質のように消化はされませんが、腸内の細菌がこの炭水化物である食物繊維を分解し、エネルギーを取り出します。

腸内細菌の状況によりますが、大体1gあたり1kcal程度出てきます。

糖質は1gあたり4kcalのエネルギーを発生します。

オートミールの食物繊維はすべて炭水化物で出来ているとしますと、100gのオートミールにおける炭水化物のエネルギーは次のようになります。

   糖質    59.7×4=238.8kcal
   食物繊維  9.4×1=  9.4kcal

したがって、オートミールの炭水化物からは合計248.2kcalのエネルギーが取り出せるわけです。

ただ、先にも述べましたが、腸内細菌の働き具合によっては、ここまで取り出せないかもしれません。

炭水化物の体内での働き

糖質としての炭水化物は、体内で消化されてブドウ糖として吸収され、血液によって各所に運ばれます。

このブドウ糖は細胞の活動元として使われ、色々の臓器や各所の筋肉を動かします。

また、脳や神経組織、赤血球などはもっぱらこのブドウ糖を活動元としていますので、その様な組織にとっては糖質は大切なものなのです。

神経細胞の集まっている脳は、重さは体重の2%程度に過ぎませんが、基礎代謝量の20%ものエネルギーを消費します。

血液の中のブドウ糖の量のことを血糖値と言いますが、もし、食物が無く、血液中にブドウ糖の供給がなくなりますと、消費によって血糖値が下がってきます。

このような状況になりますと、最初は肝臓に蓄えられていたグリコーゲンが分解されて血糖値を回復します。

数時間たってもなおブドウ糖の供給がありませんと、体の中のたんぱく質や脂肪が分解されてなんとか血糖値を維持しようとするようになります。

もし、何も食べないでダイエットしようとすれば、確かに脂肪も分解されて体重は落ちるでしょうが、筋肉や臓器のたんぱく質も失われ、とても健康的なダイエットとは申せません。

ダイエットは、余分な脂肪を取り去り、筋肉質の体にしてこそ、ピチピチした身体になるのです。