オートミールダイエット/ライ麦

ライ麦の性状などについて説明します
ライ麦

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ライ麦の祖先


ライ麦はイネ科の作物で、黒麦とも呼ばれます。

黒パンとも呼ばれるライ麦パンを作るために使われ食用になります。

原産地はカフカス地域と考えられています。

非常に寒さに強い性質を持ち、小麦や大麦の出来ない寒冷地でも栽培することが出来ます。

北欧や旧ソ連などで栽培が盛んです。

ライ麦は麦の中では一番耐寒性に優れています。

ライ麦の祖先は、小麦や大麦の畑の中に生えていた雑草でした。

ライ麦は非常に丈夫な麦で、耐寒性を持ち、やせた農地でも良く育ちます。

そのため高地など環境の厳しいところで小麦や大麦を栽培していて、過酷な条件になったあと、

残っていたのはライ麦の祖先だけだったことも考えられます。

いずれにしてもそのようにして雑草から独立した作物へと変化していったものと考えられています。

今でもイランやアフガニスタンでは、小麦畑の中にライ麦が混じっており、小麦と一緒に刈り取られそのまま食べられていることもあります。

雑草であったライ麦が、栽培用の作物になったのは紀元前3000年ごろのようです。

一世紀ころには、デンマークからトルコ付近まで、広い地域で栽培されるようになっていました。

中国へ伝わったのは随分後のことですし、アメリカへは十九世紀ごろ、日本へは明治時代になって伝わってきています。

しかし日本ではほとんど食用とはされず、北海道など寒冷地における家畜の飼料として作られている程度です。

ライ麦と似た感じのもので、耐寒性のある燕麦という麦があります。

燕麦も小麦畑の中の雑草でした。これを栽培できるように育てたものです。

この燕麦からはオートミールが作られます。

オートミールはグルテンが少ない代わりに食物繊維を多く含んでいますので、オートミール粥などにして朝食に食べられることもあります。

これはダイエット用にも使われます。

ライ麦の利用


主な生産国はロシア、スイス、ドイツなどです。

これらの地域ではライ麦を原料とした黒パンが常食され、ロシアでは特に黒パンが多く使われ

、黒パンはロシアの伝統的食品とされてきました。

日常の定番メニューは、黒パン、カーシャ(粥)、スープ、クワス(ライ麦から作った飲料)であり、

1000年以上前から近年まで農家で食べられていました。

麦の中でもライ麦は風味も栄養価も良いと考えられ、皇帝に献上するパンにはライ麦の粉が入れられたほどです。

実際、ライ麦のパンは、小麦のパンよりも腹持ちがよく、農家の人には喜ばれていたそうです。

ライ麦はビスケットの材料にも使われ、船乗りなどの携帯食として使われました。

そのほかライ麦は、黒ビールやウイスキーが作られ、ウォッカの原料としても使われます。

ライ麦の性状


ライ麦は小麦の近縁種であるため、小麦との交雑が可能です。

この性質を利用して、小麦の多産性と、ライ麦の耐寒性を併せ持つ品種を作り出すなど研究が現在も続けられています。

既にこのような特性を持ち実用化している品種に、トリティケールという品種があり、ロシア、ドイツ、アメリカなどで作られています。

ライ麦は2m前後の背丈になり、茎の先に穂をつけます。穂は小麦の穂と似ていますがやや長く、その穂には30ヶくらいの小穂をつけます。

種子は外皮で覆われており、その外皮を"殻"とか"ふ"と言います。

この外皮は簡単に取ることが出来ます。

外皮を外した種子は、小麦に似ていますが、それよりもやや細長の形状をしています。

種子の表面にはしわがあります。

背中には麦特有の一本の縦溝があります。

種子の色は、淡い黄色から、褐色のもの、赤黒いもの、黒色のものなどがあります。

ライ麦パン


ライ麦を使って作ったパンのことをライ麦パンと言います。

ライ麦パンは色が黒っぽく、黒パンとも言われます。

ライ麦には小麦と同じような成分が含まれていますが、グルテンを形成するためのグリアジンとグルテニンの含有量が少なく、水を加えてこねてもあまり粘りが出てこないため、すぐパンを作ることは出来ません。

しかしライ麦のタンパクは、酸性にすると粘りを生じる性質があります。

乳酸発酵によって少し酸性にし、この酸でグルテンを生成して粘りを出させてパンにしています。

ライ麦パンが酸味を持っているのはこのためです。

ライ麦パンも、ライ麦のみのものや、小麦粉を入れたもの、小麦の全粒粉を入れたものなどもあり、それぞれ風味が異なります。

ライ麦パンは、ライ麦粉に水と塩を加え、保温しながら酵母菌や乳酸菌を発酵させ、酸性にします。

発酵時間は普通のパンよりも長く必要で、短いものでも一日、長いものでは一週間を要します。

焼成にも長時間を要し、6時間から30時間かけて焼き上げます。

焼きあがったパンはふくらみが少なく、重量感があり、きめ細かですが、弾力はありません。 ふくらみを出そうとするときは、小麦粉を混ぜます。

現在は、自然発酵のほかに、イースト菌を用いる方法や、クエン酸カリュームやレモン汁などを用いる場合もあります。

ライ麦パンの種類は非常に多く、ドイツだけでも400種以上あるといわれています。

有名なものをピッアップしてみますと、ドイツのロッゲンブロート、オーストラリアのミッシュブロート、イギリスのライブレッド、フランスのパンドゥセーグルなどがあり、フィンランドには大きなドーナツ状のものもあります。

これは焼き上げたパンの穴に棒を通し、長時間かけて乾燥したもので、一年以上保存できる保存食です。

このドーナツ状の特別なライ麦パンは別ですが、通常のライ麦パンは小麦粉で作ったパンよりも保存性が悪く、新しいものを必要なだけ購入するのが良いようです。

ドイツのパン屋では、焼きたてのパンを買うために行列が出来ることも珍しくないそうです。

ライ麦パンを切るときは、ライ麦の多いものは薄く切り、ライ麦の少ないものほど厚く切るのが良いようです。

ライ麦パンは酸味があるため、塩味のある魚と一緒に食べたり、塩をしたジャガイモやバターなどが合います。